「伊吹先輩と付き合えて良かったな」



真司は自販機でかったカフェオレを片手にニヤリと笑った。



「うん」



「周りから何を言われようと、気にすんなよ?」



「うん」



「って、おい、俺の話聞いてるのかよ」



「うん」


僕は貼り紙のことで頭がいっぱいで、真司の言うことに適当に返事をした。


「俺が今飲んでるのは?」



「うん」



「うん、じゃねーだろ!」



真司は、僕が話を聞いていないことに気がついて、僕の頬を引っ張った。



「い、いひゃい!」



そういうと、直ぐに話してくれた。



「で、なんでそんなに難しい顔してるんだよ」



「・・・貼り紙のことなんだけどさ」



「貼り紙?ああ、アレか。高梨先輩が言ってたアレだろ?」


「そう。僕達の他に誰が見てたんだろうって思って」



「へえ。そんなことかよ」


「そんなことって。あんなことを掲示板に貼り出すなんて、流石に酷いと思う」



「噂なら可哀想だけど、事実なんだし伊吹先輩みたいに悲しむ女の人が減っていいんじゃね?あんなこと知ったら誰も高梨先輩と付き合う気なんて失せるだろ」



真司はそう言うけれど、やっぱり僕は酷いと思った。




そういえばあの時、僕は_____