太古の昔から、『幻の宝がある』という伝説が伝えられていた。


その宝を求めて、山に入った者は数知れず…。

しかし、誰一人として還ってきた者はいなかった。


…人々は言う。


『幻宝山に入るべからず。さもなくば、獣に喰い殺されるであろう』


幻宝山には、獣が棲んでいる。


そう言い伝えられるようになってからは、幻宝山に足を踏み入れる者はいなくなった。