ケータイ小説 野いちご

カ・ン・シ・カメラ

☆☆☆

この日のデートもあたしたちの間に笑いが絶える事はなかった。


昨日ネット配信されていたお笑い芸人の番組を颯に教えるあたし。


颯はあまりネットを利用しないので、その内容のどれもが真新しいものらしかった。


ネットを開けばいくらでも話題は転がっていて、あたしはいつもそれに助けられていたのだ。


話を盛り上げながら歩いていると喉が渇いて来て、あたしたちはファミリーレストランに入った。


休日の昼だから、お店の中はお客さんで一杯だ。


しかし幸いにもテーブルが空き、すぐに座れることになった。


しかし……その席の隣に視線を移した瞬間、あたしの顔から笑顔が消えた。


「あ、お兄ちゃん!!」


隣の席からそう声をかけてきたのは希彩ちゃんだったのだ。


希彩ちゃんは数人の女の子たちと一緒にお昼を食べている。


あたしは誰にも気づかれないよう、爪を噛んだ。

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