あたしは軽くため息を吐き出す。


なにか、颯の役に立ちたい。


颯が夢中になれるような、何かを一緒に見つけてあげたい。


そんな気になって来る。


そんな時、あたしはまた昨日の映像を思い出していた。


女の殺す時の颯のあの目。


すごく楽しそうだった。


「でも、あんなもの将来の役には立たないよね」


あたしはそう呟く。


颯の興味のあるものと言えば、1番に希彩ちゃんだ。


だから、昨日殺した女も希彩ちゃんに少し似ていたのかもしれない。


「1番があたしになれば、もっと将来の役に立つかもしれないのに」


あたしはそう呟いたのだった。