あたしの指先がノブに触れた……その瞬間、階段を上ってくる音が聞こえ、あたしはハッと手をひっこめた。


慌てて布団に戻り、目を閉じる。


部屋のドアが開く音がして、颯の足音がする。


そしてその足音はクローゼットの前で止まった。


あたしはうっすらと目を開け、その光景を見ていた。


颯がクローゼットのノブに手をかける。


そして、開いた……。


ベッドからではクローゼットの中までは確認できない。


でも、颯がクローゼットの中にある何かを確認し、そしてクローゼットを閉める姿が見えた。


あの中に、まだ死体があるのかもしれない。


あたしはそう思い、キュッと目を閉じたのだった。