圭太も、かなり困惑している様子。
だって今まで、圭太に盾つくクラスメイトなんかいなかったんだから。
「ちょっと、おろしてっ……」
それにしても、強引すぎるよ。
「黙ってないと、分かってるよな」
渉が耳元で低い声を放つ。
「……っ」
身に覚えがありすぎて、あたしは渉に抱かれたまま息をひそめる。
なに、脅し……!?
文句の言えないあたしを抱えたまま、渉は足で教室のドアをあけると廊下に出た。
本気でこのまま保健室まで行くつもり……?
どうしよう。
万一、こんなところをお兄ちゃんに見られたら……。
きっと渉、殺されちゃうからーーーーーーっ!!