あたしはスタスタ歩き出した。
待っててなんて言ってないし。
"約束の時間"だって、あたしは決めた覚えもない。
「待てよっ!」
後ろから追いかけてくる彼は、唯一あたしに接触できる男子と言っても過言じゃない。
隣の家に住む、同級生の新藤圭太(シンドウケイタ)
幼なじみ。
高校も同じで、クラスまで一緒になった。
「どこ行くんだよ」
「どこって、学校」
「は?今から電車で行く気か?」
「うん」
「マジ待てよ。乃愛を一人で行かせたら、嵐士さんに殺される」
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