「愛ちゃーん! 一週間ぶり!」
教室で倒れてから一週間後。
ようやく登校してきた舞は、一番に元気な姿を私に見せてくれた。
「毎日プリントありがとね。うつしちゃ悪いからって会わなくてゴメンね!」
舞が両手を合わせて拝んでくるけれど、私は首を横に振る。
「ううん、いいって。仕方がないよ」
「あー! 舞、もう風邪大丈夫なの? インフルエンザだったんでしょ」
教室の入り口付近で話していると、舞を見つけたクラスの女の子たちが寄ってきた。
「元気にしてた?」
「今日もう終業式だよー。今日も休んじゃえばよかったのに」
「そうしようかとも思ったんだけど、次みんなに会えるのがいつか分かんないしさ」
「そうだねー。じゃあさじゃあさ、冬休み中にみんなでカラオケ行こうよ!」
すっかり友達に囲まれてしまった舞は楽しそうで、私はもみくちゃにされる舞を見て笑ってしまった。
「あ、でも。今日の大掃除、舞は中庭じゃなかった?」
「そうじゃん。舞、病み上がりなのに! ぶり返しちゃうよ」
「誰か、代わってあげれないの? 私も中庭だからな……」
そう言ったのは、例のエレベーターのことを教えてくれた香坂さんだ。