周りに居た男たちは、どれも似たり寄ったりな不良たちで、アキにも逆らえない感じだった。


とてもじゃないけど、幹部とか総長という地位の人じゃないのは素人目にも分かる。


凌牙や琉聖さん、その他灰雅の幹部と呼ばれる人たちとは、まるで風格が違ったから。


「居なかった?」


「うん。ただ車で連れて行かれる時に誰かが澤城さんがどうのこうのって話を聞いただけ。だけど今回は関係ないとかなんとかって……」


朦朧と聞いていた会話を伝えると、


「そうか、なるほどな」


一人で何かを納得した大翔は、どこかへ電話をかける。


あたしの質問なんてどこかへやられて、何やら真剣な顔して話し始め、それ以上聞くことが出来なかった。