「あ、うん。ねぇ、凌牙くんの誤解は解けた…?」


挨拶もそこそこにそう切り出した七海さんは、可愛い顔がもったいないくらい悲壮感に溢れていた。


「………?」


「ごめんね、あたしが余計なこと言っちゃったばっかりに」



……ああ、そっか。


会話にタイムラグがあることを知る。



あの騒動から3日経ち、あたしと凌牙はこれと言って関係に変化が生まれたわけでもない。


だからといって、大翔とのことで何かを誤解されているわけでもない。


既に"過去"になっていた話題を振られ、一瞬なんのことかわからなかったけど。


その後本部に来てない七海さんの時間は、凌牙が不機嫌に本部を出て行ったところで止まっているんだ。