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そして、付いた先は屋上へと続く階段だった。


屋上は常に締め切られているため、この階段を使う生徒は少ない。


あたしたちはそこの一番下に腰を下ろした。


「風呂場で視線を感じたって話、本当なんだろ?」


「うん。確かに感じた」


「女子寮にいる男なんて伊達先生だけじゃないか」


「それは、そうだけど……」


あたしは竜季から視線をはずして考え込む。


「まさか、相手は女だと思ってんのか?」


「そ、そういうワケじゃないけど……可能性はあるよね? 恋愛は自由なんだし」


そう言うと、竜季は困ったように前髪をかきあげた。