予想外の言葉にあたしは目をパチクリさせる。


「知らないなら教えてあげる。この学校の噂はね、寮に入っている者同士が付き合うと必ず呪われるっていう話があるのよ」


「呪われる……?」


先輩の言葉に一瞬背筋がゾッと寒くなる。


でも……。


でも、そんなのはただの噂だ。


あたしはそう思い、ジッと先輩2人を見返した。


この2人はきっと、あたしが彼氏と一緒にいたのが気に入らないだけなんだ。


あたしは自分にそう言い聞かせ、「子供騙しですね」と、言い返した。


いくら竜季がカッコイイからって、呪いの噂なんかで別れたりはしない。


もちろん、先輩たちに竜季を渡すつもりもない。


あたしはフンッと強気で鼻をならし、お風呂へと入ったのだった。