朝日と遊園地。
その状況自体はとても嬉しいけど、その場には優衣もいるわけで。

こんなこと思うのは変だけど、ふたりを外で会わせるのは、何となく嫌だった。

だって、私服の優衣とか、可愛いし。


どうしよう……と、迷っていると、

「途中で別行動になるようにしてあげるから」

と、優衣が言った。


……別行動。

優衣は直大さんと。
あたしは朝日と……?

そこまで考えて、あたしはやっと気付いた。


そうだ……直大さんもいるんだ。


それって、チャンスじゃない?
朝日に、優衣のことを諦めさせるチャンス。

年上で紳士的な直大さんの姿を見れば。
ラブラブなふたりの様子を、目の当たりにすれば。


優衣のこと、完全に諦めようとするんじゃないの……?


思ったあたしは、

「……分かった。行く」

テーブルの上に置かれた、2枚のチケットを受け取った。