それからレイヤはずっと眠り続けた。 一旦冷却ジェルシートを取り替えてあげて、テーブルに新しい水のボトルと千円札2枚、合鍵、そして 「仕事行ってくる。熱が下がったら帰りなよ。交通費がなければこれ使っていいから。鍵はポストに入れておいて」 という手紙を置いた。 とことん親切なあたし。 できるだけ静かに部屋を出た。 帰ってきたら、レイヤはいないだろう。 野良犬