「これが、暁」


そう言って紹介された、暁さん。

彼は、なんと言うか……何もかもが面倒くさそうな顔をしていた。

怖い……と感じようとすれば感じられるけど、どっちかっていうと……めちゃくちゃ面倒くさそうだった。


威圧感がないわけじゃない。

目は据わってるし片膝立てて座ってるし……いや、今のシャレじゃねーから、マジで。

下から見上げてる感じはにらんでいるように見える。

俺を見るついでに睨んでいるように見える。


ただ……会ってすぐに出されたため息の印象が強すぎて、とても面倒くさそうに見えてしょうがない。


この人への恐怖は、軽く吹っ飛んだかもしれない。


「名乗れよ」

「……山岡龍河」

「知ってる」


暁はにやりと笑った。

……激しく腹が立つ。