ケータイ小説 野いちご

ボーダーライン

ホラーで揺らぐ段差


 翌朝。

 いや、翌昼前。

 暑さのあまり目を覚ますと、真紀の姿がなかった。

 もしかしたら真紀が来たこと自体夢だったんじゃないかと思ったが、敷いてある茣蓙とボストンバッグを見て、現実だと思い知らされる。

 フラフラとトイレへ行き、出た瞬間。

 脱衣所からバスタオル一枚の真紀が現れた。

「うわぁっ!」

「あ、おはよ」

 そんな裸同然の姿で普通に挨拶されても……。

 真紀はそのままスタスタと部屋へ歩いていく。

 ボストンバッグを漁るためにかがむから、大事な部分が見えてしまいそうで目をそらした。

 下着と服を取りこちらに向かってくる。

「着替えは脱衣所だったよね?」

 ビビッている俺は無言で首を縦に振る。

 バスタオルのみを纏った真紀は、俺の前を何食わぬ顔で通過して、再び脱衣所へと入っていった。

 ドク、ドク、ドク、ドク……

 心臓が踊っている。

 着替えは脱衣所でというルールを課したが、バスタオル一枚で出てこられては何の意味もないじゃないか。



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