あいつが運ばれていくのを、俺は呆然と見ることしかできなかった 今にも急に止まってしまいそうな呼吸 苦しそうに歪んでいる表情 医師たちの必死そうな顔 全部スローモーションみたいに俺の目には流れていて、 現実なのか、と疑うほどだった。 でも、ひとつはっきりしていた事がある。 あの子が今、ああなっているのは俺の、せい、だ 俺が無理矢理、声なんか出させようとしたから もし、 万が一、 あの子が死んだら 俺、の、せい、だ。