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【天界】


天界の記憶水晶の間で二千年前の記憶を見た月影は震える手で翡翠の腕輪と白蘭の首飾りを水からすくいあげた。


…謀反などではなかった。


一族は、謀反ではなかった。天帝と天后に陥れられたのだ。


月影は奥歯を噛みしめ拳を強く握った。


怒りで震え、自身の強い法力が体から漏れるのを止めた。


一息ついたあと月影は記憶水晶の間を静かに出ると天宮へと向かった。


「来たな。月影」

「兄上!何をしていたんですか!?」


天帝と氷輪が月影に声をかけた。


月影は礼をし天帝と天后を見つめるといつものように穏やかな声で言った。