ケータイ小説 野いちご

学校の怪談

第1話
開かずの扉

窓の外からグラウンドへ視線を向けると低学年たちが集団下校しているのが見える。


5年2組の福永怜美(フクナガ レイミ)は小さな後輩たちを見て微笑んだ。


1年生の子たちが背負っているランドセルはとても大きく見える。


自分もつい4年前にはあんな風だったんだなぁ。


「怜美なに見てるの?」


隣にやってきたのは友人の小阪雪(コサカ ユキ)だ。


雪は長い髪をひとつにまとめてポニーテールにしている。


結び目には白いリボンが飾られていた。


怜美は自分のショートカットを指先でとかして「下校してる後輩たちを見てた」と、返事をした。


その言葉に雪が噴出して洗う。


小学生に先輩後輩という関係はまだ早い。


それを大人ぶって言う怜美がおかしかったのだ。


「可愛いね」


けれど窓の外を見てすぐにほころんだ表情になった。


「でしょ? 小さな子のランドセル姿ってすっごく可愛い!」


「怜美だってまだ、小さいけどね」


「それは身長のことでしょう!?」


友人からの指摘に突っ込みを入れる。


5年生の中でもひときわ小さな怜美だが、運動は得意で好奇心は旺盛だ。

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