「宇佐美 大介。担当教科は体育、俺の授業は甘くないから覚悟しとくように!」



黒板に大きく書かれた字は大ちゃんっぽい。

なんていうか、すごく大ちゃんだ。


夏休み明け、彼は言ったとおりわたしの学校の教師となってわたしのクラスの副担任にまでなった。



「先生ー!彼女とかいるのー?」


「いるか!」


「あははははっ!体育バカっぽいもんねぇ」



年齢も若いし、ノリもいいし、生徒たちにとって友達みたいな感覚なんだろう。



「俺も一応は教師だぞ!先生に向かって馬鹿はやめとけ馬鹿!」


「あーっ、ひっどーい!」



こんなスキルがあればわたしだって「冷淡ロボット」なんて言われなくなるんだろうけど…。


バチッと合った視線はニカッと笑ってくれてしまうから、申し訳ないと思いつつもスッと逸らす。



「宇佐美先生は生徒と恋愛はアリー?」


「はいそこ、通知表の評価下げる」


「あはははっ、なんでよー」



それにしてもまさかよりによって副担だなんて…。

わたしがいじめられてることはきっと早いうちに知られてしまうはずだ。