さすがに、身内が人質として現れると心がすり減ってしまう。


あたしは1度目を閉じて、もう1度開いた。


目の前の炎もステージも変わらずに存在している。


でも、もうステージ上に母親の姿はなくて、ようやく助かったのだという気持ちが湧いて来た。


《では、続いての回答者は星田友香さんです!》


アナウンスの声に、友香が少しだけ身じろぎをした。


みんな、そろそろ疲れが顔に出てきている。


熱さもそうだし、精神的にもそうだろう。


《まずは、大切な物からどうぞ!》


ここまで人質ばかりが出てきているのだ。


きっと友香の番もそうだろう。


そう思っていた時、1人の男がテーブルに座った状態で現れた。