5月。GWが過ぎたある日の朝。


「古賀さん、おはよう」

「おっ、おはよう、前島くん」


先日、前島くんと廊下の曲がり角でぶつかって以来、毎朝学校で顔を合わせると、前島くんは私に挨拶してくれるようになった。


「あ、古賀さん。この本ってもう読んだ?」

「え? いや、まだ読んでないけど」


前島くんが、最近様々なメディアに取り上げられている『読むと絶対ハマる』と話題の小説の単行本を見せてきた。


「僕これ、最初図書館で借りたんだけど。ほんと面白すぎて。自分でも買っちゃったんだよね」

「え、凄い。そんなに面白かったんだ!?」


さすが、 『読むと絶対ハマる』と話題なだけある。