ケータイ小説 野いちご

キス、涙々。

タイ、結々。




わたしは理系コースでハギくんは文系コース。


だから教室も離れていて、もっといえば、まず校舎が違う。



文系クラスは1組、2組、3組と数字表記で、

わたしたち理系クラスはA組、B組、C組ってアルファベットになっている。



さっきも言ったように、わたしはハギくんのクラスを把握しているから迷うなんてこともない。



……んだけど。




「え。ハギくんいないの?」

「うん。さっきまではいたんだけど。ほら、あそこがさくらの席」



ハギくんのクラスメイトが窓際にある空席をふりかえる。

そこにはふわふわ風に揺れるカーテンがあるだけで、人の姿はない。




「そっ、かぁ。……あの、じゃあこれ渡しておいてもらってもいいかな?」

「あー……いや、うん」



男子生徒はなぜか狼狽して、ぽりぽりと頭をかいた。




「さくら、たぶん昼休みにはいるからさ。悪いんだけど、そのときにまた持ってきてくれない?」



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