「結乃、おはよう」

 いつものように、結乃を迎えに行きおはようと言って学校へ向かう。

「おふぁよ……、今日から私三年生だ……」

 あっという間に幸せな高校生活が消えて行く。

 結乃はあと一年でこの学校から消えてしまうんだ。

 だけれど、高校を卒業したら大学には行かないと約束をした。

 だから、せいぜい別荘にでも住んで同棲したいと思っているところ。

 まぁ、もう少ししたらこのことは話そうと思っている。

「早く鈴くんのお嫁さんになりたいよ〜……」

「それ、本当?」

 どうやら本当らしく、コクコクと可愛く何回も頷いている結乃。

「僕嬉しい」

「私も、鈴くんのお嫁さんになれるって想像しただけで嬉しいよ!」

 ギュッと腕に抱きついて来た結乃。

 実は、少し不安なことがある。

 なにかと言うと、最近、結乃があまりにも甘えてくるんだ。

 嫉妬作戦が終わったあと、結輝さんに色々と教えてもらったということは知っているし、甘えてくれている分には嬉しい。

 だけど、なにか隠しているんじゃないか……?

 そんな気がして止まなかった。

 やはり、結乃に聞いて色々探った方がいいだろう。