「で、どうだった?」




そのまた翌日、学校にて。


教室に着くと、後ろの席に座るエナちゃんは表情を変えないまま、机に頬杖をついて「詳しく教えてよ」と付け足した。


面白がっているというより、ただ単純に私の報告を待っている感じだ。




かばんを下ろし、がたりと椅子を引く。


エナちゃんのほうに上半身を向け、私は「たのしかったー」と、特別な感情を含まない声色で昨日の放課後のことを伝えた。




「パンケーキ美味しかったよ。パフェも」

「へえー。よかったじゃん」

「あ、あと家まで送ってもらった」

「へえー。いいね」

「ねえエナちゃん、ほんとにこの話興味ある?」

「あるある。紘菜の新しい恋の行方、気になるじゃん」




ほんとかなぁ。

エナちゃん、いつも声に感情が籠っていないから真意がわからなくて時々こまる。


それに、新しい恋って…三琴先輩はそういうのじゃないのに。