今日は少しやり過ぎたかもしれない。


自室へ戻ったあたしはハサミについた血をティッシュでぬぐっていた。


サチのハサミをあのまま持って帰って来てしまったのだ。


あれだけ悲鳴を上げられたから、すぐに誰かが気が付いてリカコを助けたかもしれない。


そう思うと苛立ちを覚えた。


リカコのくせにあたしたちに反発しやがって……。


あの悲鳴のせいであたしたちがしていることがバレてしまうかもしれないのだ。


そうなったら、絶対にリカコを許さない。


苛立ちを押さえるため、ベッドの上のクッションを思いっきり壁に投げつけた。


ボスッと柔らかな音がして、床に落下して行く。


それでも苛立ちは収まらなくて、「あぁ、もう!」と声に出し、ベッドにダイブしたのだった。