「好きだよ、莉緒」




「うん、私も」






懐かしい…。




きっと私は夢を見ているんだ。






だって、颯太がこんなに近くにいて。





手を伸ばせば届いてしまいそうな距離で。





私に微笑みかけてくれている。






「莉緒、明日はどこに行きたい?」




「んー…クレープ食べに行きたい」







ダメ…行っちゃダメだよ…。




行っちゃったら…。




私はソファに座る2人に手を伸ばそうとする。




途端、画面にヒビが入って、亀裂の間から赤い液体が流れ出る。








「っは…はぁ、はぁ…」





私はそこで目を覚ました。




…久しぶりに、こんな怖い夢を見た。




もう…半年も経った。




いつまで経っても、怖くて仕方ない。




あの時の記憶も、これから起こってしまいそうな二の舞も。




本当に怖くて仕方ない。




だから、突き放すしかなかった…。