「僕なんか楽に生きすぎて、土方さんに怒られる日々だけどね」


沖田さんは団子を一口、食べた。



「まあそんな人生も悪くはないよ」


悪くはない、そういう沖田さんはあたしの目から見ても生き生きとしていて。


いいなって思ったと同時に、あたしの肩に乗っかってた何かが少しだけ軽くなった気がする。


肩に手をやってみても、そこにあるのは短く切ってもらった髪の毛だけで。


あたしが不安に思ってることなんて、これっぽっちも目に見えなくて。



「楽に生きていいんだよ」


再びかけられた沖田さんの言葉に、あたしは少しだけ笑った。



「はい」


もしかしたらこの先もあたしが楽に生きることはないかもしれない。


だけど、少しだけ、ほんの少しだけ力を抜くことを許してくれる人がいるだけで......あたしの心は軽くなった。