夏休みが終わって今日から本格的に体育祭と文化祭準備が始まる。


生徒会は本当に忙しい。


なのに。


仕事がこんなにも手に付かないなんて初めて。


多分原因は、伊織、だと思う。


私は見てしまった。


夏祭りに伊織が女の子と2人できていたのを。


なんだ、大丈夫なんじゃん。


そう思ったけど、少しだけ、胸が痛かった。


なぜかはわからない。


でも、そのせいで、私は伊織に強く当たり過ぎた。


今じゃもう連絡は来ないし、話しかけてくれていたのも、諦めたらしい。


どうしても、伊織の気持ちがわからなくて、受け入れることができなかった。


女の子と一緒に祭りに来てたのに、それでもまだ私に頼る必要なんてあるのか、わからなかった。


でも、1つだけ、わかったことがあった。


伊織のことを考えたら、胸が痛くて、


私の方を向いてくれないだけで、心に歪みが入る。


私が作った状況なのにね。



「ななちゃん、それ違うよ。

このダンボールは文化祭のだからこっち」


「あ、ごめん…」


恋菜に指摘されて気づく。


いつもならこんなミスしないのに。


何やってんだろ、私。


「ななちゃん大丈夫?」

「大丈夫だよ。迷惑かけてごめんね?」

「それはいいんだけど…。


ななちゃん、会長に直接聞けばいいじゃん。


あの子だれなのって」