「……で、パンの賞味期限切れてるのに気づかなかったり、虫が湧いてたの気づかないで野菜食べたりして、体調崩すの。自業自得すぎるんだけど、それ以外に食べるものねぇから、どうしようも無くてさ。でも、体調崩してからはパンはできるだけ賞味期限切れてるの食べないようにして、野菜もよさそうなのしか食べないようにした。ゴミ捨て場にパンも野菜もない時は、カップ麺を探して、それで凌いでた。……カップ麺もない時は飯を抜いて、水道水をめちゃくちゃ飲んでた」

「……カップ麺って、お湯入れられるのか?」

眉間に皺を寄せ、潤は首を傾げる。

「あ、そこ気になる? ……それはたぶん、見せた方が早いな。潤の家、カップ麺ある?」

「あるけど」

「じゃ、お湯入れないで持ってきて」

「わかった」

潤はカップ麺を取りに、下に行った。

「はい」「ん」

潤が持ってきたカップ麺を開けて、そこにあるかやくとスープの袋をあけ、中身を口に入れて、飲み込む。

「は? お前、まさか、麺もそのままちぎって食ってたのか?」

「……そりゃあそうだろ。だってコンビニ行って、お湯だけ貸してくださいとか言えねぇもん。……絶対変な子だと思われるし」

潤は何も言わず、俺を抱きしめた。