「ただいま。」

「あ、柚鈴帰って来たのね!」

「柚鈴、ちょっと来てくれ。」

いつも、明るい家族が今日は真面目な顔をしていた。

「うん。」

どうしたんだろう。

何か嫌な予感がする。

「父さんの仕事の関係で、引っ越すことになった。」

「え…」

「隣の県だ。

だから、柚鈴には転校してもらいたいんだ。」

「え?!なんで!

せっかく、友達ができたのに!」

「すまん。」

そんな…

でも、良かったのかも。

もう、中山くんと顔を合わせることもないし。

「分かった。

いつ、転校するの?」

「1ヶ月後だ。

ごめんな。」

「ううん。大丈夫。」

転校、か。

「宿題あるし、部屋に戻るね。」

「ああ。」

しっかり、宿題をした後すぐに眠りに落ちた。