一度風花の部屋に戻って鞄を取ってきた俺たちはおばさんとおじさんに挨拶をして家を出た。


「そこまで送って行くよ」


風花がサンダルを引っかけて追いかけてくると、その後ろから綾菜ちゃんもついてきた。


「危ないから大丈夫だ」


すぐに城がそう言う。


「家の前の道までだから」


「そうそう。遠慮しなくていいよ!」


風花と綾菜ちゃんにそう言われ、俺たちはほほ笑んだ。


すぐそこまでなら、まぁいいか。


今日は何事もなく終わりそうだし。


風花と綾菜ちゃんに聞こえてくる声の事は気になったけれど、不安はいつの間にか胸の奥から消えているのがわかった。


きっと、最後に2人の元気な姿が見れたからだろう。


花火をした庭を抜け、道路へ出る。


「じゃ、俺たちはここで……」


そう言ったとき、どこからか音が聞こえて来た。


低い機械音。


冨部先輩の時に聞いたのと全く同じ音だ。


俺と城はハッと顔を見合わせて、耳をすませた。