それから俺たちが向かったのは近くの市立図書館だった。


《椿ホーム》から徒歩20分くらいの場所にあるため、俺たちは歩いて移動することにした。


途中でコンビニに立ち寄り、遅めの昼ご飯を食べると少しは元気が出て来た。


今回の事件に関して色々と話をしながら歩いていると、図書館まではあっという間だった。


涼しい館内へ入るとホッとする。


「とりあえず《椿姫》について調べてみよう」


そう言い、俺は本を検索することのできるパソコンへと向かった。


パソコンは4台ほどあり、今は誰も使っていなかった。


その一番手前に座ると、さっそくキーワードを入力する。


「《椿姫》に関する本は結構置いてるみたいだな」


検索結果には20冊ほどの本がひっかかった。


「どんな本だ?」


隣から城が覗き込んでくる。


「外国のオペラらしい」


ズラリの並んだ関連書籍は、どれもそれらしいタイトルが付いている。


とても今回の事件に関係しているようには思えない。


でも、とりあえず一冊くらいは見ておくか。