あたしのクラスは8組。


隣の7組から調べて、2組まで該当する男子生徒はいなかった。


もしかしたら先輩かもね、なんていう杏ちゃんの脅しに怯えつつ、1組の前にたどり着く。



「あのー……」



ドア近くの席でカバンを肩に掛けようとしていた男の子に、恐る恐る声をかけた。


普段ならこんなこと出来ないのに、スマホのためならって想いが、いつになくあたしを突き動かす。



「ん?」


「あの……青山翔くん……て……このクラスですか?」


「翔に用?」



やった!と背後で杏ちゃんがうれしそうに小さく叫ぶ。


あたしも同じ。