ケータイ小説 野いちご

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いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。

*TWO*
はじめての嫉妬





5月に入った。


教室の窓から見える校庭の木々も沢山の葉をつけ、そよぐ風に気持ちよさそうに揺れている。


あれから黒崎くんといえば。

学校でも話しかけてくるわけでもなく、塾でも見かけなかった。


というのも塾の授業が始まる30分前には教室に入る様にして、帰りも先生に質問するなどして会わないように時間をずらしているから。


見かけない、というのは少し違うかもしれない。

塾帰り、いつも利用しているバス停から見えるファミレスで黒崎くんを目撃しているから。

火曜日と土曜日が塾の日なのか、決まって黒崎くんはそこにいる。


あの出来事から2週間がたったけど、あたしと黒崎くんのキスが噂として流れることもなく、平穏にときは流れていた。



ただ。

ひとりで残っている教室に、またいつ黒崎くんが入ってくるかの恐怖だけ、残したまま……。





「白鳥くん!」



お昼休み。


お弁当を食べ終えて万葉ちゃんと席で雑談していると、教室の前のドアから律くんを呼ぶ声が耳に届いた。



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