◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「ただいまーっ!」


小学校から帰って家の扉を開けると。


「おかえりなさいませ、坊ちゃま」


お母さんでもないお父さんでもない、白いエプロンをつけたおばさんが笑顔で僕を出迎えた。


僕が小さい頃からいるお手伝いさん。


「坊ちゃま、おやつにはケーキを用意しています。手を洗ったら、リビングに来てくださいね」


なのに、よそよそしい。


貼りつけたような笑顔が怖くて、僕は少し苦手なんだ。



「……うん……」


僕は頷いて、そのまま二階の自分の部屋に向かった。