私はしばらくその場から動けずにいた。

どんなに泣いても涙が枯れる事はない。

一生分泣いてしまったのではないかというくらい泣いたのに、まだ涙が出る。

ジャングルジムにもたれかかって、流れる星を何となく見上げていた。

リツに会いたいとひたすら心の中で願いながら……。


「……藤村?」


そんな中、不意に名前を呼ばれた。

振り返ると、川上君の姿がある。


『川上弘貴はオレの兄貴』


「……川上君、リツはどこ?」


彼を見た瞬間、そんな質問が自然と口から飛び出した。

私を見て戸惑いの表情を浮かべていた川上君だったけれど、それを聞いて表情を曇らせる。


「リツが言ってた!川上君に聞けばわかるって!リツは川上君の弟なんでしょう……?」

「やっぱり藤村さんが言うリツって、俺の弟の事だったんだな……」

「お願い、教えて!彼はどこにいるの?!」


川上君の表情に嫌な予感がして、立ち上がって彼につめ寄った。

服が泥だらけになっているのも構わずに。