それからというもの、岡田さんがやってくる日は帰り送ってもらう、という事が定番となった。
私はいつも断っているんだけど、会社の玄関で待っている。
逃がさないよ、と言わんばかりに。

まあ、彼は強引である。
会社の人達がからかうのも嬉しいのか、それに合わせて話をするし。
お陰で工場公認のカップルになってしまった。・・・付き合ってないのに。

しかし、私も何かおかしい。
岡田さんが来ている日は、どうも落ち着かないのだ。
やたら目で岡田さんを追ってしまうし、仕事に身が入らないわけじゃないけど、どうも集中力が持たなくなってしまう。

いつか好きになってしまうかも、と思っていたけど。
まさか、もう好きになってしまったって事はないよね？

・・・違うと思いたい。
周りがそういう風にけしかけるから、岡田さんが恥ずかしげもなく好きだ好きだって言うから。
だから気になってしまうだけ。・・・うん、それだけ。