ケータイ小説 野いちご

絶対値のゆくえ

-2








公立の入試まであと1週間。



受験に向けて、先生の授業と自習が交互に繰り返された。



シャーペンは動かしているけど、頭の中に内容が入ってこない私は、

気が付くと君の姿を見つめてしまっていた。



いつからか、私が隣の君を見つめると、


君も私に視線を向けてくれるようになって。



それが嬉しかったけど、今は。


君には目の前の問題に向き合ってほしい。



でも――



「なんだよ。見てんじゃねーよ」


「ご、ごめん……」



やっぱり君は私に目を向けてくれた。



好きという気持ちと、後ろめたい気持ちが、ごちゃまぜになって押し寄せる。



思わず視線をそらした。君の表情は見れなかった。



何をしているだろう、私は。



集中させてあげないといけないのに。


君の邪魔をしてはいけないのに……。


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