ケータイ小説 野いちご

絶対値のゆくえ

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「いずたそー」


「何?」



中学3年生の秋。


オレンジの光が差し込む放課後の教室で。



居残りで日誌を書いていたら、忘れ物をしたと言って突然君が現れた。



「お前、高校どこ受けるの?」



「私? 今のとこ、北高志望だよー」



そっちこそどこ志望? と聞こうとしたと同時に、

君は頭をかきながらこう言った。



「俺、北高はかなり頑張らなきゃ無理って言われた」



「…………」



「あーあ。しょーがねーし頑張ろっかなー」



「え、何を?」



「受験勉強」



そう言って得意げな顔になった君に、私の心臓はふわりと浮かび上がるくらいに高鳴った。



だって私は受験が終わったら、君に告白をしようと思っていたから。






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『絶対値のゆくえ』




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