公恵と放課後の約束をして席に戻ると、彩美が頬を膨らませて待っていた。


「随分と楽しそうだったね」


「え? そう?」


「朱里が正木さんと趣味が合うなんて知らなかった……」


そう言い、うつむく彩美。


「ごめんごめん。ちょっと興味があっただけだよ」


あたしはそう言い、彩美の背中をトントンと叩く。


「それよりさ、放課後公恵と一緒に遊ぶことになったんだけど、彩美も一緒にどう?」


「正木さんと?」


彩美がけげんそうな表情を浮かべる。


今まで一度も一緒に遊んだ事がない相手なんだから、警戒しても当然だ。


「話して見ると、結構楽しい子だよ?」


「そうかもしれないけど……」


彩美はジロッと公恵を見た。


公恵は上機嫌のまま、さっきの雑誌の続きを見ている。


「ま、朱里が言うなら行ってもいいよ?」


小さく息を吐き出して彩美は言う。


「じゃ、決まりね!」


放課後3人で今朝のファミレスに向かう。


その時に合流しよう。


あたしは自分の膝の上でスマホをいじり、そんなメッセージを優也さんに送ったのだった。