和君と結婚して、もう2年が経つ。
今日は、和君の誕生日。
自分の収入で養えるようになってから結婚したいと言ってくれた和君。その言葉通り、大学を卒業してすぐに婚姻届を提出した。
私は、出来れば仕事をしてほしくないと言う和君をなんとか説得し、在宅で翻訳の仕事をしている。
テーブルに並べられた料理を見て、よしっと笑顔を浮かべた。
お料理も、ケーキもプレゼントばっちり。
あとは、主役の帰りを待つだけ…
ーーガチャリ。
とてもいいタイミングで玄関が開く音がして、私は玄関へ駆け寄った。
「ただいま」
スーツを着た彼が、靴を脱いでいる最中。
「おかえりなさいっ…!」
私はしゃがんでいる和君に、後ろからぎゅーっと抱きつく。
「はい、おかえりのちゅーは?」
なんて、恥ずかしいことを言われたけど、誕生日くらい私からしてあげたい。
立ち上がった和君の首に腕を回して、うんっと背伸びをする。
ちゅっと、音を立てて、唇が触れ合った。
「お誕生日、おめでとう」
「ふっ、ありがとう。今日5回目だ」
「あと10回は言わせて」
他愛もない会話。
こんな日常が、幸せでたまらない。