勢いよく、扉を開けた。
視界に映ったのは、ベッドを囲むように座る、瞳ちゃんと楓ちゃん、そして北口先輩。
そして…
驚いた表情で私を見つめる、和君。
「君は…雪、ちゃん?」
「あっ…すみません、急にきて…」
いざ和君を目の前にすると、言葉が見つからない。
わ、私…勢いで来てしまったけど、何をいえばいいんだろう…!
久しぶりに見る和君の姿に、あたふたしてしまう。
そんな私を見てか、三人はほぼ同時に立ち上がった。
「お、俺、トイレ」
「俺はジュース買いに行こっかなぁ〜」
「私、化粧崩れちゃったから直してくるわね」
…なっ…!
絶対うそだ!
こんな同時に、席を立つだなんておかしい!
私の叫びは当たっていたようで、楓ちゃんはニヤニヤしながら、瞳ちゃんは私の肩をたたいて、病室から出て行ってしまう。
気を使ってくれたんだろうけど、逆に二人きりはきついよ…。
と言っても、今更もう戻れない。
「どうぞ座って」
和君は、笑顔で前にある椅子を指す。
私は頭をぺこっと下げ、言われるがままに座らせてもらう。