『手術中』とかかれた標識が光っている。
その扉の前で、私は両手を合わせながら立ち尽くしていた。
あの後、駆けつけた警察が先生を連れて行った。すぐに救急車を呼んでくれて、事情聴取を受けた後私もすぐに和君のもとへ向かった。
病院について、そのまま手術室に搬送された和君。
もう、一時間以上が経つ。
廊下の向こうから、走っているのだろうか、慌ただしい足音がいくつも聞こえた。
「雪…!!」
「雪ちゃん、和哉は…!?」
楓ちゃん…瞳ちゃん、北口先輩に、瀧川先輩も…
みんな、一緒に来てくれたんだ。
四人は私に駆け寄ってきて、口々に言葉を掛けてくる。
けれどもうみんなが何を言っているのか、わからないほどに私も混乱していた。
「ごめ、なさいっ…ごめんなさいっ…」
口からは、その言葉しか出てこない。
怖くて怖くてたまらなくて、顔すらあげられなかった。