「んっ…」



ゆっくりと、視界に光が入る。

見知らぬ天井を前に、ぼんやりと意識が戻った。


…ここ、どこ…?


あれ…?私、確か学校にいて…和君を待っていて、そしたら先生が来て、また、数君が現れて…



「…起きたか?」



隣から聞こえた声に、急いで振り返った。


和、君…?

え、どうして。私、どこにいるの?



「和君、ここは…」


「保健室も閉まってたし、あのまま置いて帰る訳にもいかないから…家に連れてきた」



和君の発言に驚き、辺りを見渡す。

家…和君の…?


ど、どうしようっ…状況が全然理解できない…



「ご、ごめんなさいっ…!私、すぐに帰…」



勢いよく起き上がったと同時に、ふらりと揺れる視界。

身体が酷く重くて、頭に殴られたような痛さが走る。


倒れると覚悟した瞬間、私は和君によって抱き留められた。


ドキッ


心臓が、尋常じゃない大きさで脈を打つ。



「危ないな…。お前熱あるから、いいから寝とけよ」



かず、君…。

ゆっくりと抱き抱えられ、ベットに座らせられる。


私に触れる手の感触にドキドキを通り越してバクバクと煩い心臓は、これ以上側にいたら潰れてしまうんじゃないかとすら思った。