ケータイ小説 野いちご

幕末オオカミ 第二部 京都血風編

第一章
・禁門の変



元治元年7月19日


あたしが総司たちと合流した翌朝、ついに新撰組に出陣命令が出た。


「とうとう長州のやつらが洛中へ踏み込んできやがった」


「みなのもの、出陣!」


副長と局長の命令に従い、隊士たちは刀を抜き、敵陣へと駆けていく。


長州軍の一派と幕軍が衝突したのは、九条河原からさほど離れていない藤の森だった。


今回は池田屋と違い、会津や大垣藩の兵もいる。


「はぐれるなよ、楓!」


ひっちゃかめっちゃかの戦場のなかを、総司の背中を見失わないように駆け抜ける。


総司はその剣の腕を惜しみなく発揮し、次々に敵を斬り倒していった。


あたしはおそろいの『誠』と書かれた腕章を翻し、総司と一緒に敵に向かう。


腕章は、あたしの存在を知らない会津や大垣の兵に間違って斬られないよう、局長が与えてくれたもの。


新撰組と一緒に戦えることを誇りに思いながら、猛暑の中で必死に苦無を振り回していた。


そのとき、後方から声がした。



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