ケータイ小説 野いちご

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繭につつまれて


私の身体をうっすらと繭のような物が包み込み暗い部屋の中で動けもせず考えだけが、ぐるぐる頭の中を回る。


古いベッドの中で冬眠中の幼虫のように縮こまっている。



私は、すでに中年の域に入り何かに対してもがき苦しんでいる。


部屋の小さな電気に浮かび上がる沢山の本やCD。


中年になってもまだ私は繭の中から出れず、もがく。



ゆっくり起きて煙草を吸いながら煙の行く末を眺める。



憂鬱な気分とだるさが私を包むが、ここまで生きて来たのだ。



この先も同じように生きていける保証はないが出来たら生きて行きたいのかも知れない。



煙草を灰皿に押し付けるとのろのろとシャワーを浴びに私は立ち上がる。



シャワーを浴びでも繭のような物は取れないだろう。


頭の中をぐるぐる何かが回る。


繭の中でゆったりしたいが、今では繭の中も私にとって安全ではないのだ。


シャワーを浴びよう。


シャワーを浴びたら少しは気分が、変わるだろうか?


微かに期待する。


微かにだ。


微かな希望にすがるのは、悪い事では、ないだろう?







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