駅の近くにある大きくもなければ小さくもない
そんな本屋さんに私はかれこれ7年は働いている。
高校生の頃からずっとここで働いていた私は
就職活動なんてせずに、
もーこの本屋でずっと働いていればいいやって思ってた。
もちろん、この本屋さんの店主も
「安藤さんがいてくれて本当に助かるよ~
本のことならなんでも知ってるからね」
なんて、私を必要としてるから。
店主であるくせに本のことなんて全く知らないらしく、
本を発注する時は何故か私に確認をとってくるし、
どこか店主らしくないこともする。
そんな本屋さんだけど、
私にとっては居心地が良くて好きなんだ。
………あいつが来るまでは。
安藤 凛(アンドウ リン) 今年で24歳。
「もしこの小説が映像化されるとして、
俺がその主役に選ばれたら結婚してほしいんだけど。」
「…………はぁ?」
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「男慣れしてないみたいだから、顔赤いね?」
「アンタが近くにいるから
アレルギーでも発症してるんじゃない?」
「あ、俺アレルギー?
いいね~それ。俺色に染まってるってことじゃん」
・
・
・
「………知ってた?
このままキスだって出来ちゃうんだよ」
「!!」
……日常というものは
ある日突然一変することがあるらしい。
恋愛経験0の本屋店員
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やけに強引な謎多き男
一つの小説から始まる同居系ラブストーリー。