葉月りゅうさんのレビュー一覧
同じクラスでいじめられている葉村に想いを寄せる菜子は、ある日、人の心が読める不思議な能力を持つルカと出会う。 ルカのことが気になりだす菜子はどんな決断をするのか、葉村の心に潜む闇は何なのか、ルカの行く末はどうなるのか…… 終始ハラハラしつつ、後半は三人が抱える切ない想いに涙を誘われました。 人の本当の気持ちは、決して自分以外にはわからないし、理解するのを諦めてしまう時もありますよね。 しかし、“わからないから、思いやる” 作中に出てきた一文ですが、これに尽きると思います。 自分の気持ちと、相手の気持ちと、三人がどんなふうに向き合って前に進んでいくのか、ぜひ見守っていてください。 雪の温かさを感じられるような、感動のラストが待っていますよ。
海沿いの田舎町の、道の駅で働く瑞香は、ある朝見知らぬ男性と印象的な出逢いを果たす。 その彼はどこか影を感じ、謎めいていて……。 二人の心の距離は、寄せては返す波のように、縮まったかと思えば離れてしまいます。 そんなもどかしさの中に、切なさと温かさが入り混ざっていて、心にじんと染み渡るような優しさを感じました。 特に、たくさんの意味や想いが込められた、ラスト10ページが素敵！ 海の音や香りが感じられるような、丁寧な風景の描写も逸品です。 静かで優しい恋の物語に、あなたもぜひ癒されてください。
お互いにクラスに馴染めなかった、ココと真咲。 似た者同士の二人は、自然と惹かれ合い恋に落ちるけれど、それはどこか不安定で……。 完全な大人じゃないから不器用で、完全な子供でもないから強がってみる。 そんな微妙でもどかしい時期の彼らの心情や行動が、とても繊細に、丁寧に描かれています。 これを表現するのは難しいと思うのですが、さらりと書き綴ってしまう作者様の力量はやはり素晴らしいなと感じました。 すれ違って、遠回りしたからこそ、素敵な大人になっていく。 友達や恋愛、家族のこと。 今悩んでいる人も、立ち止まったりぶつかったりしている人も、きっとそれは無駄なことなんかじゃない。 そんなメッセージが込められた、思春期の皆さんに読んでほしい、心に響く素敵な作品です。
親から言われていた結婚の期限が迫るOLの有希は、ある事情で彼氏の代行を依頼した。 そこで現れた男性に、本気で恋に落ちてしまう。 しかし、代行の仕事をしているはずの彼が、なぜか転職先の花屋のオーナーで……？ 彼は同一人物？ いったいどんな事情を隠しているの？ そんな謎を絡めつつ進むストーリー展開に、有希と一緒になってドキドキしていました。 なかなか素顔をさらしてくれないヒーローにもヤキモキさせられたり。 けれど、すべての謎が解かれた時の爽快感はたまりません！ タイトルのようにじっくりと練られた、じれったい大人のラブストーリー。 ぜひお楽しみください♪
熟女と一言で言っても、世の中様々なタイプの女性がいます。 この作品に登場するのは皆、どこか寂しい気持ちを抱いていたり、誰かを本気で愛したがっているワケアリの美魔女達なのです。 彼女達との恋に翻弄される若い男性陣や、不倫に陥ってしまった熟女の心情がとってもリアル！ 結婚し子供もいる私には、共感出来るところが多々ありました。 ドロドロの恋愛模様の中にピュアな部分も垣間見え、昼ドラを見ているような感覚で(笑)、かなり楽しめました！ SHIROさんが描く様々な熟女との恋愛、読み応えがありますよ。 熟女好きな方もそうでない方も、男性も女性も、ぜひご一読を！
何なんでしょう、この愛おしさは！！ 笑えるんですけど、めちゃくちゃ可愛いんです！ 招き猫の気持ちを考えると改めて大事にしようって思えますよ。 恋愛小説では得られない、特別な胸キュンをどうぞ☆
ちょっぴり妄想癖アリの千代子が、チョコレートをあげる相手。 それはイケメンドクターか、それとも……？ なんてほのぼの純愛ストーリーなんでしょう！ 心がほんわか温かくなること、間違いなしです。 あっと驚くラストをお楽しみに☆
13歳も年上の幼なじみの女性、彩菜。 最初は自分が恋をしているのかもわからず、彩菜の気持ちもわからなかった柊哉だけれど、彼女への想いが次第に彼を成長させていく。 しかし、やはり歳の差は大きく、しかも彩菜には親戚に決められた結婚相手までいて──。 最後までどうなるかわからずドキドキハラハラさせられましたが、その展開はとてもドラマチック！ 現実的な問題を考えると様々な困難がありますが、深く相手を想う気持ちは何よりも強いのだと感じました。 柊哉を取り巻く友達との友情にも心打たれますよ！ 素敵なピュアラブストーリー、ぜひご一読ください。
初めて恋を知った時のことを、あなたは覚えていますか？ 相手を想うだけで胸が苦しくなって、だけど嬉しくて。 この気持ちが何なのかわからない──。 そんな理屈じゃない、あやふやなものが恋心。 それを初めて感じた時の戸惑いが、ふたりの女子高生の友情にも影響を及ぼしていきます。 揺れ動く心がリアルで、交差していく二人の恋愛もピュアで優しく、とても素敵でした。 読後は温かい気持ちになれること、間違いなしです☆
彼と会う日はいつも雨。 けれど、それは新しい恋が始まるきっかけでした。 離婚の経験があるだけに、なかなか男性を信じられず、自分の気持ちにも素直になれない主人公の美空。 そんな彼女に、何の下心もなく、優しく温かな心で接してくれる桂一。 二人がゆっくり近付いていく過程はとても自然で、キーワードとなる雨や紫陽花が素敵な雰囲気を醸し出してくれていました。 雨上がりに優しい日差しでしっとりと輝く紫陽花のような、とても穏やかで綺麗な作品。オススメです！
ずっと実の兄の雄志のことが好きだった楓花。 いけないとわかっていながらも気持ちは止めることが出来ない。 そんな想いを秘めながら、過酷な家庭環境の中で一日一日を必死で生きている二人の兄妹に幸せはやってくるのか……？ 健気な楓花とどこまでも心優しい雄志、二人に早く幸せが訪れてほしい！と終始願いながら読んでいました。 二人を支えてくれる人々の存在にもとても心を打たれます。 シリアスですがラストはとても感動的！ 最初と最後とではタイトルの持つ意味が変わってくるのも面白いです。 兄妹の幸せの行方を、あなたもぜひ見届けてください。