考察できる部分がたくさんあって面白かった。心がAIだったときは衝撃だったのに、芽流が元人間と言っていたところや最後の質問でひっくり返った。それぞれの視点で、一人一人考え方や見方が違うところや、それを小説に書けるところが尊敬できる。全部違う人が書いたみたいで、一人で全部書けるのが凄いと思った。伏線回収も衝撃もあって、読んでいて楽しい。四人の関係の複雑さが身に染みた。芽流のるいに対する気持ちが、題名の通り「愛憎」という言葉がよく似合うと思った。サイコパス気質な芽流が殺人をしたり、それを楽しんでいる描写は読んでいてゾワッとした。アオが芽流を殺してしまうぐらい心が大好きだったんだなと痛感した。これもまた愛憎という言葉に当てはまりそう。作中に度々出てくる「I」も意味が含まれていて考察できる。心が感情を持つ瞬間が、現実では有り得ないけどリアルに書かれていた。